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お墓参りでお供えするお線香には決まりがありますか?

お線香にはいくつかの種類があり、用途によって使い分ける必要があります。

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お花・お線香・灯明は仏様へのお供えの基本です。

お線香を焚くことにより、場を清め、自分の身のよごれを一掃するという意味があります。そして、お香のよい香りは仏様への供養でもあります。

 

お線香は用途によって違う種類を使う

お線香は原料が異なる「匂い線香」と「杉線香」の2種類に大別され、用途によって使い分けます。

 

 

「匂い線香」

タブ粉(タブの木を乾燥させて粉末にしたもの)を使用し作られています。タブ粉に白檀や沈香の粉末を練りこんで作られます。

タブ粉を使った線香を総称して匂い線香またはタブ線香といい、仏壇や寺院で一般的に使われます。

一般家庭では長さ約14cm程度のものを用いますが、寺院などでは60cmを超えるものもあります。長い線香は燃え切るのに要する時間も長いので、お寺での長時間かかる供養に使われるのです。

 

「杉線香」

杉線香は杉をつなぎに使ったものです。こちらは煙がたくさんあがるので主にお墓参りに使用され、墓線香と呼ばれることもあります。

 

コーヒーの香りのするお線香!?

 香りの種類で分けるとこれはもう無数にあります。白檀や桂皮、沈香などのブレンドが一般的ですが、中にはコーヒーや緑茶の香りのお線香もあります。天然の香料のみでなく人工香料が使われているものもあります。

香りについては、この香りが良いということはありませんので好みで選んでいただければよろしいでしょう。最近では住宅事情を考慮してか、煙が殆ど出ないものや香りの無いもの、消臭機能のあるものにも人気が集まっているようです。

 

お線香に関するマナー

 仏壇やお墓へのお線香のあげかたですが、線香は何本が良いか、立てるか寝かせるかなどは宗派によって違いがあり、こうするのが正しいというやり方はありませんが、いずれの宗派でもろうそくに火を点し、線香をろうそくの火で点火し、香炉に立てます。線香に火が付いた場合は、口で吹き消さないで、手であおいで消すようにします。香炉に立てる場合は、まとめて立てないで1本ずつたてます。

 

 

 お線香の歴史は古い

 仏事には欠かせないお香ですが、その歴史はとても古く、日本書紀にも記載があります。それは聖徳太子の時代、595年に淡路島に香木の1種である「沈香(じんこう)」(注1)が漂着したという記録になります。

 

その後、各種の香木が中国よりもたらされ、唐の鑑真和上が各種の香料を練り合わせて作る「薫物(たきもの)」の製法を伝えたと言われています。

平安時代には香が高貴な人々の生活の中に取り入れたことが「源氏物語」にも記されています。

線香の形のお香が使われるようになったのは16世紀末から。貴重な香木の香りが少しでも長持ちするようにと工夫されて、現在の線香のような棒状のものが使われるようになったと言われています。

 

注1「沈香(じんこう)」:沈水香木(じんすいこうぼく)。いい香りをもつ木材「香木」の1種。香木で有名なのは沈香と白檀。木部を侵されたときに防御策として内部に樹脂を分泌させる。この樹脂がいい香りを放つので、削り取って線香などに使用する。

 

 

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