大理石のお墓

大理石の墓石があまりないのは、どうしてですか?

大理石は柔らかく、酸に弱い性質のため、雨などで劣化しやすく墓石には向いていません。そのため日本では大理石を使った墓石はあまり流通していません。
墓石に使われる石材について詳しくご紹介します。
ガーデニング霊園などが出てきたことで、墓石のデザインにもさまざまなものが出てきました。
従来の和型だけでなく、ガーデニング霊園に似合う洋型タイプの墓石や大理石のような模様の墓石など…

この、大理石風の墓石は本当に大理石を使っているのでしょうか?
墓石に使われる石材についてみていきましょう。

 

大理石とは?


大理石は石灰岩が熱と圧力による結晶化で堅く変化した石でマーブルとも呼ばれる斑紋が美しい石です。
かつて大理国と呼ばれていた中国雲南省大理府で産出されていたため、この名前が付けられました。

大理石は海外でも建築材料として一般的な石材で、古い建物や彫刻に多く使われています。タージ・マハルやパルテノン神殿といった歴史的な建造物にも大理石がふんだんに使われているのです。

国内では高級内装材としてなじみがあります。華やかな大理石のマーブル模様は高級感があるのでホテルやデパート、美術館等で多く使われています。
キッチンカウンターや洗面台にも大理石模様のものが多いですが、多くはアクリル樹脂やポリエステル樹脂を素材とした人工素材です。

 

墓石としての大理石


最近では洋風のスタイルのお墓やデザイン性の高いお墓が増え、色と模様が豊富で個性を表現しやすい大理石はそのような墓石にもぴったりですが、大理石の墓石は実は多くはありません。

大理石の性質・特徴


大理石が墓石にあまり使用されないのは、大理石は材質がやわらかく酸に弱いためです。
大理石は彫刻に多く使用されていることからわかるように、のみや刃物で比較的簡単に削れる程度の硬度です。

また、大理石は炭酸カルシウムを50パーセント以上含んでいます。
そのため酸により侵されやすく屋外で雨(特に酸性雨)にさらされることにより光沢が失われたり表面がザラザラしてコケ等が付着する原因となります。
また吸水性があるため、シミや汚れがつきやすいという性質もあります。

日本では大理石の墓石は好まれない!?


ヨ-ロッパなどは表面の痛みをあまり気にせず大理石もお墓によく使われています。
痛みを年月を経て出た味ととらえる向きもあるでしょうが、やはり日本ではお墓が痛んだり崩れたりするのを嫌うため傷みにくい石が好まれます。
そこで、本物の大理石の代わりに大理石に似た模様の花崗岩(かこうがん)を使うという方法もあります。

御影石

花崗岩(御影石)

大理石

大理石

花崗岩は地下のマグマが地殻内の地下深部にて冷却固結した石材です。
国内では御影石(みかげいし)として墓石に最も多く使用されています。硬度があり、水を吸いにくく長持ちするということで、墓石に向いています。

花崗岩の墓石は国内産と外国産がありますが、外国産、主にブラジル・インド産などに大理石に似た模様の花崗岩があります。

大理石のマーブル模様を生かしたお墓を建てたいという場合は、上記のような大理石模様の花崗岩を使ったり、本物の大理石であればコーティングして耐久性を高める、こまめにお墓参りに出向き、乾いた布でふいてあげる、などをするとよいでしょう。
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