クリプタ行徳セントソフィア周辺の旅2

文:つつみ みき

霊園までの道のこと

 

一之江の駅前は自転車置き場

千葉県は市川市にあるクリプタ行徳セントソフィアのある街を旅しました。最寄りの駅でいうと東京都江戸川区近郊から向かうなら「一之江駅」、千葉県市川市近郊から向かうなら「南行徳」近いでしょう。ちょうどこのふたつの駅の中間あたりに位置しています。 一之江の駅前は自転車置き場が地下に備えられ、駅前を自転車で阻まれることがない作りになっています。工夫が行き届いていますね。一之江からは川をふたつ跨ぐ(またぐ)と、クリプタ行徳セントソフィアに到着します。今井橋を渡ると右手側のビルに「クリプタ行徳セントソフィア」の名前の看板が見えるのでわかるでしょう。

今井児童交通公園

交通量の多いここまでの道の途中、小さな公園を見つけました。今井児童交通公園です。ここは、ゴーカートに乗って楽しみながら交通道徳を身につけるという工夫がある公園です。年齢に応じた遊具もあり、自転車、ブランコなど公園らしい遊具のほかにまた体感していく遊具で大人と一緒にこどもが使いながら、「飛び出したらあぶないんだよ」「右と左をよく確認してね」と楽しみながら教えてあげられるのはとてもいいですね。

京成トランジットバスが運営する「わくわくバス」

南行徳からですと、千葉県の市川市で県道50号線が近く、流通のトラックが多く走っているため、車道を歩くのは危険ですが、広い歩道が道なりに確保されていますのでそちらを歩けば心配いらないでしょう。
歩いても行けますが、15分程度歩くのでバスを利用することもできます。南行徳からですと、京成トランジットバスが運営する「わくわくバス」という赤紫色のかわいらしいバスを利用すると、クリプタ行徳セントソフィアのそばにある「防災公園」という駅まで150円(大人)で行けるルートがあります。こちらは1時間に2本程度ですが、京成バスで行くなら、到着して多少歩きますが「相之川」というバス停で降りれば徒歩5分ほどの場所にあります

山田茂商店

このバス停で降りたなら、霊園に向かうまでの道のりに山田茂商店という工場があります。「ヤマダのタマゴ」というニワトリの絵のついたトラックを駅前や道々よくみかけるので、とても気になっていたのですが、ここの配送車でした。この工場では玉子焼きを作っています。築地の市場だけでなく北は北海道から南は都城市まで出荷される玉子焼きです。ここの玉子焼きを目当てに工場で直接買うお客さんも多いようで、浦安の店舗から遠いお客さんはここ工場のおじさんにお願いすると、玉子焼きを持ってきてくれます。ひとつ試しに買ってみましたが、ここちよい甘さがとても美味しい卵焼きです。自分で作ると玉子焼きはどうしてもこんなに大きくはつくれませんし、この値段でこんなにおいしいなんてと、ずいぶんとお得感があります。お墓参りに行くときにこんなふうにおいしい卵焼きを買いに行く楽しみがあるのは、なんだかいいですね。

 

人と動物たちの霊園

 

クリプタ行徳セントソフィアは「自由な霊園」のスタイルの霊園です。「お墓を探す」といったときにまず、お墓を継いでいくひとはどうか?というところが近年ではずいぶん課題となっており、そのために老後の不安を抱える人があとをたちません。

クリプタ行徳セントソフィア

残されたこどもへの負担をかけたくない、費用面や、供養の仕方などお墓を建てることは非常に制約が多いものです。ましてや、日本人は宗教観というものが他国に比べ少ないことや、仏教ではないけれどお墓を建てる必要があるなど、お墓を建てるというときになって課題が伴ってくるのは煩わしいことです。こちらの霊園ではさまざまな問題を考慮した非常に選択肢の多い霊園なのです。外観はガラスを用いて明るい印象のエントランスで、高級感のあるマンションやホテルのようですが、永代供養墓や納骨堂などもあるこの霊園は、比較的低額で、死後に煩わしいことにとらわれたくない、自分らしいスタイルを選びたいという方の相談にとても対応してくれる霊園です。

こちらの霊園では「ステラ・ミラ」というペットの専用のお墓もあります。ペットはいまや、「ペット」という定義よりも、大切な友達であり、家族であるという意見が後を絶たないことが現実です。結婚をしても子供がいないけれどペットを家族として育てているという家族の話を聞くこともあります。言葉が同じではないけれど家族ならではのコミュニケーションをとることも、しつけをしていくなかでより深い絆をえることも、子育てととてもよく似ています。互いの信頼関係を築いたとき、ますます欠かせない存在になっていくのです。それほど、ペットという存在は「家族」という定義の中でも非常に大きな位置を占めているわけです。そのため、大切な存在が亡くなってしまうのは人間同様、とても悲しいことです。大好きな家族でもある動物たちがいなくなり、ペットロスになるという話は、わたしのまわりでもよく聞きます。
ペットが亡くなって市役所に連絡をすればごみとして処理されてしまいますし、ここはとても大切に考えたいものです。そういったことからこのステラ・ミラではペット専用のお墓を利用する方が増えているといいます。
普通の霊園ではペットを埋葬することは管理者から拒否されるのが多いということもありますし、こういう霊園があるのは非常にありがたいことです。

 

この街を旅して

 

クリプタ行徳セントソフィアの霊園周辺を旅して、いままで親しみのあったこの街がより好きになった気がしました。都心へのアクセスの良さと自然を保つということは非常に大きな課題であり、それを地域で守りぬいているというのはとても大きな取り組みであることがよくわかりました。
そこには今生きる人間の暮らしのみならず、これからを生きる子供達の暮らしであり、生物の暮らしもあることを見逃してはならないのです。わたしはひとの終の棲家である「墓」を見守るなかで、じぶんの役割はその墓をまもってゆくこれからを生きる人間の暮らしを考えていくことも大切なのかもしれないと思いました。
都心からすこし離れているけれどアクセスもよく、お墓を守ること、これからの子どもたちとお墓を考えたときの暮らしまでもを考えたこの霊園とこの土地をこれからも見守っていきたいとおもいました。

 

 

\今回出会った街キーワード/

今井児童交通公園

今井児童交通公園

東京都江戸川区江戸川4−10

都営新宿線一之江駅から徒歩10分ほどの位置にある。こちらの公園ではブランコや滑り台のような通常の公園にある遊具のほか、ゴーカートや自転車、レインボーサイクルなどを備えていて親子で遊ぶ中で交通ルールを伝えていくという工夫がある。

クリプタ行徳セントソフィア

クリプタ行徳セントソフィア

千葉県市川市広尾2丁目5−1

従来の葬儀や代々継承していくお墓のカタチから解放された個人としての埋葬のスタイルを探している声に応えてくれます。光の差し込むきれいな明るくきれいな室内霊園で、宗教や慣習にとらわれない自分らしいお墓参りのスタイルを叶えます。

旧江戸川

旧江戸川

東京と千葉の間を流れる一級河川。
1900年初頭に放水路を開削してからそちらを本流としたため、旧江戸川の名称となった。
江戸時代には千葉県より江戸へ川を使って渡ったことを禁止しており、川を渡り駆け落ちを企てたイネと久三郎の二人の悲話も残る。

山田茂商店

山田茂商店

千葉県市川市広尾1−1−4

「新鮮な鶏卵のこだわりと、包装内に無害の窒素ガスを充填する独自の製法でおいしさをそのまま閉じ込めた・・」というこだわりの玉子焼き。商品のひとつである「あや錦」は2014年にモンドセレクションも受賞したそう。浦安に店舗もかまえており、こちらの工場でもお願いすると販売してくれる。

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