セントソフィアガーデン川崎

文:つつみ みき

霊園情報

セントソフィアガーデン川崎

神奈川県川崎市川崎区鋼管通4-8-2

  • 最寄りの駅:京急・JR 川崎駅/南武線 浜川崎駅
  • 駅からバス:JR「川崎駅」東口 市営バス6番のりば川40(約10分)→「鋼管通3丁目」下車 徒歩約2分
          JR「川崎駅」東口 臨港バス5番のりば川24(約15分)→「臨港中学校前」下車 徒歩約2分
          JR「川崎駅」東口 臨港バス5番のりば川24(約15分)→「JFE」下車 徒歩約2分
  • お車の場合:横浜方面から:首都高速横羽線 浅田出口より約2分
          東京方面から:首都高速横羽線 浜川崎出口より0分
  • 霊園の特徴:宗派不問/永代供養塔/貸出用車いす有/駐車場有
  • 管理主体:宗教法人 観福寺

 

今回訪れたところは川崎にある霊園『セントソフィアガーデン川崎』の周辺を旅しました。

 

霊園と霊園近辺について


セントソフィアガーデン川崎は
こんな霊園!


川崎市は平成14年の条例の改正によって霊園内の通路を改正したことにより、川崎市最後の民間霊園としていわれているそうです。
霊園内の通路を、従来の1mから1.5mにすることが義務付けられたことが要因のようです。というのも、通路の幅が増えると墓地の販売区画というのが約半分に減ってしまいます。ということは、価格を値上げする霊園が増えることになります。それに伴って、霊園は区画の販売価格を倍ほども上げないと維持ができなくなってしまうのです。もともと川崎市は都心に近くて土地価格も高いので、これから新たに霊園ができることは無いだろうといわれているようです。
お墓を建てたときにする開眼供養、回忌法要や法事など、お墓と法要というのはセットで残された遺族が引き継いでいくのだろうというのが一般的な解釈ですが、セントソフィアガーデン川崎ではそういったしきたりや監修に縛られない自由な供養ができます。
大切なのは形ではない、供養をしたいとおもう遺族の方たちの「想い」なのだいうのがとセントソフィアガーデン川崎の考えなのだそうです。想いはあるけれども、供養にとらわれて高額な出費がかかるとおもうと、非常に悩ましい問題になってしまう・・。多額の経費に追われるようなことでなく、無理の無いかたちでただ「故人を想う、偲ぶ」想いを大切にできたらどんなにか救われるものです。

一方で、指定の宗教に合わせたサービスというのもあるそうで、とても気が利いている印象を受けます。また、「博愛の絆」という名前の永代供養墓もあり、お墓を継いでいく後継者のいない方や、独身の方、身寄りの無い方などを合同埋葬するお墓は核家族化が進む現代にはとても需要が増えているのだといいます。将来的にお墓の面倒を見れなくなる場合など、永代供養墓へ埋葬を希望する話もよくありますし、どんな形であっても大切に供養され、守られているというのはとても安心感があります。

 

霊園の近くまで。


セントソフィアガーデン川崎

川崎は駅周辺からとても賑いを見せており、JR川崎駅の東口には非常に大きなバスターミナルがあります。その数、23種類・・!
ターミナルのどの停留所もバスの往来が多く、それほど待つことが無く利用できるためとても便利です。霊園は市電通りにあるため、そこを通っていくバスを探します。鋼管通りを目指すといいとあるのですが、「JFE」という産業通りにある会社の前の停留所がちょうど道を挟んで向かいに霊園があるので、そこを目指すバスですといくつかバス乗車ルートを選べそうです。今回はそれに乗って10分ほどで到着しました。ただし、バス停の名前で「JFE◎◎(別名)」と書かれたルートなどは違いますので別の支社の方に向かってしまいます。ご注意を。

霊園までの道のりは、「電車から降りてすぐ・・」のようなところのほうが便利かと思っていましたが、バスもここまで往来があると距離感をあまり感じずに済むような気がします。

ショッピングの楽しめる駅周辺、また霊園までの道のりには小学校などがあり、住宅街が広がります。小さな喫茶店やドラッグストア、霊園と同じ通り沿いにはショッピングモールもあります。
霊園側の産業道路を挟んで奥はたくさんの工場が広がっています。

 

川崎・霊園の周辺の、
味(み)どころは?


セントソフィアガーデン川崎

産業道路よりも霊園から産業通り沿いを東へ10分ほど歩くと見つかるラーメン屋さん。「一龍」。
昔ながらの醤油ラーメンが食べたい方はここに来ると出会えます。どことなく醤油ベースにプラスして肉のコク・旨味があるのが香るのがたまりません。優しくて気さくな店主の作る餃子も美味しそうでした・・・。もうちょっとお腹に余裕があれば・・・!
醤油ラーメン(450円)は値段にも懐かしさを感じてしまうのは私だけでしょうか!

セントソフィアガーデン川崎

そこからさらに10分ほど歩くとセメント通りというちょっと変わった名前のコリアンタウンが現れます!知る人ぞ知るそのとおりはなんとも美味しそうな焼肉屋さんの立ち並ぶ穴場スポットです。
どこもかしこも焼肉屋さん、夜はビールと一杯!と、行きたいところですがお昼時のランチセットもお手頃でいいですね。

焼肉屋さんが並ぶ道の真ん中に小さな銭湯もありました。ここで暮らす町の人たちの憩いの場になっているのでしょう。いろいろと味のある通りです。

セントソフィアガーデン川崎

セメント通りで抜けてお腹をすかせて水門通りに出るともう一軒。見つけました!やっぱりここも焼肉屋さん。『桜苑』という焼肉屋さん、本店と書いてありました。
ちょうどお昼時で日替わりランチ(900円税別)をたのんだところ、焼き肉のほかにキムチやナムル、チヂミの三点セットやサラダ、スープ、ごはんがついて大満足のメニューが。
お肉はカルビ・豚トロ・ロース・レバーの四種類。カルビも柔らかくて、白いつけタレもたまりません。
テーブル席も多く、家族連れが多いのもうなずけます。

ちょっと余談。わたくしごとなのですが実は、初めての一人焼肉をしてしまいました・・。ちょっと勇気いりました。セメント通りで勇気が出せずに、一本通りを出てしまったのは覚悟が足りず悩んでしまったことも、ちょっと理由かもしれません。
けれど・・・!一人にも関わらずきちんと囲いのついた4人向かい席のようなテーブルをおすすめしてくれて、のんびりプライベートを楽しみながら食べることができました。こういうところも気が利いています。こうして無事に「初、1人焼き肉」を円満に達成できたこともいい思い出ですが、やはりここのお肉は国産和牛ということもあり、やわらかくてとても上質です。本当にいいお店でした!

一人でも家族連れでも来たい、おいしい焼肉屋さん。
お墓参りの帰りにちょっとこうやって寄れるところがあるのがいいですね。
6人以上で来店の際は送迎バスなども用意してくれるそうです。コースもいろいろと4000円程度からレパートリーもあり、最大90名まで利用できるという凄いお店です。

セントソフィアガーデン川崎

お腹がいっぱいになったところでちょっと近隣をぶらり。

『桜苑』と同じ通りはちょっとした住宅街です。そのなかに「水 キムチ」と書かれたおもしろい看板の小さなお店を発見。どうやらキムチ屋さんみたいです。
このあたりはすっかりコリアンタウンのよう。近所に手作りキムチを買いに行けるお店があるなんてなんだかステキです。ちかくには公園があって、自然がいっぱい。その自然に溶け込むようにベンチでくつろぐひとたち・・・、なんだか見ているだけでのんびりしてしまいます。

ちょっと違う道を紹介しましょう。
霊園から駅に向かって歩くとその途中に渡田小学校という名前を目にします。

セントソフィアガーデン川崎

この界隈は住宅地で、小学校の下校の放送や、近くの公園でお母さんたちが学校の終わった子どもたちを迎えて「今日はなにがあった〜?」なんて、楽しそうに日常の会話をする景色がステキでした。小学校ってこんなに早く終わるんだっけ?なんて、遠い記憶にすこし可笑しさと懐かしさを感じてみたり・・・。
その学校の近くに、『画廊喫茶 アラビア』という喫茶店をみつけました。お店のおかあさんが趣味で描いているという油絵と、一緒に絵を描く仲間の絵を飾った店内は、いやいや立派なものです。趣味なんてことばは勿体無いほど名作ぞろいです。店主の書いた大きな白い二頭の馬の絵を鑑賞しながら、また名作に囲まれながら、店内でカランと氷の音を立ててゆっくりと涼まりながらいただく。アイスコーヒーとすごす時間はとても優雅なひとときでした。

 

川崎駅の周辺は?


川崎駅周辺は、映画館に電気屋さん、ショッピングモールもなんでも揃う、栄えた大都会です。買い物するにもお友達に会うにもとても便利な駅周辺にたくさんの人が行き交います。川崎駅で待ち合わせをして、バスやタクシーで霊園に向かうなら、待ち合わせのしやすいコーヒー屋さんもたくさんあります。

セントソフィアガーデン川崎

京急線とJR線は離れていますがそれでもとても近く、バスターミナルも近いので安心ですね。

駅から少し離れると港より手前に大きな公園や、競輪場、競馬場もあります。
また近くに趣のある神社があったのでこちらも紹介させてください。

稲毛神社です。観光協会のホームページによると、毎年8月1日・2日から直後の日曜日まで行われる「川崎山王まつり」が有名で、和太鼓や演芸・はやし神楽が奉納され、孔雀神輿と玉神輿の大神輿2体が街を練り歩くことが書いてありました。

さかのぼること、この神社が建ったのはその神社の御神木の銀杏が樹齢千年と推定されることから神社にもそれほど昔からあるのではないかと言われています。
人間の寿命よりも遥か昔に遡るころまでこの神社はその時の流れと変わりゆく人々の暮らしを見守りつづけたのだとおもうと浪漫を感じるのとともに、何を見守ってどう感じてきたのだろうとたずねてみたくなる想いに駆られます。

セントソフィアガーデン川崎

中に武甕槌命(たけみかづちのみこと)という神様がおられて、その神様をおまつりして、争乱の絶えなかった時代に戦勝を祈る社として建てられたとされています。同じく武勇にたけた経津主神(ふつぬし)、また万物の創世である伊弉冉神(いざなみ)と、伊弉諾神 (いざなぎ)の神様や、調和融合の菊理媛神 (くくりのかみ)の神様がご祭神の神社です。
千年もの昔の争いごとと、現代の争い事ではずいぶん様子が変わってきたのかもしれませんが古(いにしえ)の神様のその偉大さに、ひたむきに取り組んできた人々なら、その力をわけてもらえそうななんだか力を感じる神社です。

こちらの神社ですが同じ敷地のなかに、小さい神社をたくさん備えており、それらの神社にも趣を感じます。

佐々木神社、浅間神社、白山神社、川崎天満社、・・・など、緑の生い茂るもとに小さな神様のお家が稲毛神社の敷地の中に連なってあるようできれいな光景です。
そのちいさな社には、安産繁栄や交通安全に至るまで様々な願いを聞き入れる役割をしているのです。

セントソフィアガーデン川崎

また、神社の中に、正岡子規や、松尾芭蕉といった歌人の句碑が生まれるというその歴史的な背景にロマンを感じずにいられません。
佐藤惣之助の「祭りの日」の句には、8月の祭りを待ちわびてしまいます。宝物を見つけるように十二支の干支の石碑を見つけたりと、なんともステキな神社です。
川崎には有名で魅力的なスポットが多いですが、こんな駅からそう遠くないところにもこんな自然あふれる名所があるのだとおもうと、ますますこの町はすてきだなと気付かされます。

セントソフィアガーデン川崎

また、こうやって旅をしているとよく町のお寺や神社というのに出会ってわたしはよく立ち寄るのですが、こういうところにこの町の歴史や、日本人の生き方などが、描かれているからなのです。

神様のことや宗教観などないわたしにも、帰って調べると神様の名前がすこしずつわかったり、歴史の教科書に書いてあったような著名な人物がふっと出てきてこの町のこんな歴史に触れてたんだ!という感動にであったり、なにか知れることは感覚的にふくらんでいくようでおもしろいんです。
それに、「神様」を通してその存在が、当時の日本人観のようなものをほんの一部に過ぎないですが垣間見れるおもしろさもあります。

今回の稲城神社など、千年前の日本が争いがあったからこそ必要だった神であったんだろうということは察しがつくわけです。(勝手ですが・・)
その争いの神様だけではなく、時をかけて人々の安全や・健康・安産・学業、・・小さな社がつくことでもっと人々の生活に寄り添った暮らしのための社へと変化していったことに魅力を感じてしまうのです。

 

神話では神が日本列島をつくり、風や木を火をつくり・・・とありましたが、わたしたちの国の歴史を作ったのはその町に生きた人々だとおもっています。

わたしの先祖は、歴史の教科書に名前のあがった著名な人物ではまったくないし、
祖父が祖母のことをとても大好きで、祖母が大好きだった俳句を作ってプロポーズしたことだとか・・・、
祖父はちょっと格好つけ屋さんでおしゃれが大好きだったこととか・・、
実は我が家ではそのあたりのことしか語られていません。(そしてそんな2人の間のプロポーズに使われた俳句集と、写真があるだけなのです。)そんな祖父と祖母がわたしの母を産んで、その母と父が結ばれて私を産んで、その知るところの間にも歴史がうまれました。

日本の歴史と、祖父母のロマンスは一見なんら関係の無いようなできごとですが、人々の生活そのものが繋がってできたことの結果論にすぎないわけですからわたしの祖父母が、両親が繋げてきたこともすべてが歴史に相当するわけです。そしてわたしがいまこうして生きていることも。

お墓自体には写真も言葉も無いために祖父母のことは語ることでしか伝えられませんが、語り継ぐことはなによりもその存在を「守る」ことだとわたしはおもいます。
そして、確固たるその存在や魂を長い間時を超えて標(しる)すことに、あの硬くて丈夫な墓石のかたちに込めてきたことは、なるべくしてなった必然性なのだ、と感じるのです。どこの神社やお寺にある石碑も、大きな石の形のまま長い年月をかけて苔をつけてもしっかりとその土地に根をはるように鎮座し続けているのを見ると余計に納得してしまいます。「想う」強さがあるからこそ、欠けたりすることのない丈夫な墓石を建てたい、そんな経緯が現在の墓石に至ったのだなと感じます。

 

今回訪れたセントソフィアガーデン川崎も形にこだわらず「想い」を大切にしたいとありました。お墓を建てること、ついで行くことに対して負担が大きいのではという意見も聞いたこともあります。けれど、今回の旅をして、四角くて丈夫なお墓である意義を感じたらお墓参りをして手を合わせることをイメージすると、ご先祖さまがきちんと従来のようなかたちのお墓に入れてあげたい気もします。
それでも無理の無いお墓との関係性をとても大切にしてくれること、そこに選択肢があると示してくれるセントソフィアガーデン川崎の理念もこれから先のわたしたちには、非常にありがたい存在だとおもいます。「想い」のかたちをどうつなげていこう、ここはそんな想いの相談にものってくれる霊園です。

 

 

\今回出会った街キーワード/

セントソフィアガーデン川崎

セントソフィアガーデン川崎

神奈川県川崎市川崎区鋼管通4-8-2

川崎駅からバス10分という利便性のいい場所にある霊園。
宗派を問わない上、開眼から法事・法要まで無理の無い自由なスタイルをコンセプトとしている。宗派を持つ方も、持たない方にも居心地の良い。

セントソフィアガーデン川崎

らーめん一龍

神奈川県川崎市川崎区浜町2丁目14-3

あっさり昔ながらの醤油ラーメンは昔ながらの450円。あっさりベースのなかに肉のコクがつまった一杯と、気さくなお父さん店主に出会えます!

セントソフィアガーデン川崎

桜苑

川崎市川崎区桜本1-1-13 Tel.044-277-9132

国産和牛が売りの焼き肉、家族連れが多く集まっている。コースも5000円程度で注文ができるので、お墓参り後など、家族で集まって鉄板を囲うのもおすすめ。6名以上なら送迎バスもあり。

セントソフィアガーデン川崎

画廊喫茶 アラビア

神奈川県川崎市川崎区田島町17-1

店主の趣味が絵画ということで、店主とその仲間の絵画が飾られた画廊喫茶。趣味を逸脱したレベルの高さがうかがえる。ホッとおちつく空間を。

セントソフィアガーデン川崎

稲毛神社

神奈川県川崎市川崎区宮本町7-7

推定千年の歴史があるのではといわれている神社は、古来からのこの日本や歴史を見守りながら変化を遂げた。小さな神社をたくさん携えたこの神社には叶えたい願いを聞き入れてくれる優しい要素がたくさん詰まっている。川崎市の駅からそう遠くないのに自然とのバランスがとてもうつくしい神社。正岡子規や、松尾芭蕉といった歌人の句碑もあり。

一覧へ
  • facebook
  • twitter
  • googleplus